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UKの分離問題

UK離脱を望むイングランド人

投稿日:2020/08/12 更新日:

※まず分かりやすくするために、この記事の中では「イギリス」のことを「UK」と表現しています。

多くの日本人が、一部のスコットランド人がUKからスコットランドの離脱を望んでいるということを知っているでしょう。また、北アイルランドでも同じようなことが起こっています。

しかしこの記事では、‟British”と呼ばれたくないイングランド人と、イングランドをUKから離脱させたいイングランド人についてお話したいと思います。

「English」と「British」は同じではない?

同じではありません。「British」はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド人のことを表し、「English」はイングランド人のみを表しています。

でもUKはイングランドによって創られたのでは?

別の記事でも説明していますが、かつてスコットランドの王であったジェームズ6世(後にイングランドのジェームズ1世となる)によって、イングランドとスコットランドは統一されました。そして約100年後の1707年、互いの政府は政治的に統一することを決め、それ以降イングランドとスコットランドはUKの一部として合併したのです。

スコットランドとの合併はイングランド国民への確認はなく、当時の王と政府によって決定されたことでした。

ではウェールズは?

ウェールズの中でUK離脱を望んでいるウェールズ人は、2020年現在でわずか約25%であり、UKの国の中でウェールズは独立への関心が最も低いと言われています。この詳細については、また別の記事で紹介したいと思います。

どのくらいのイングランド人がUK離脱を望んでいるのでしょう?

最新の世論調査の結果:

27%のイングランド人がUK離脱を希望している
51%は離脱に反対
18%・・・どちらでもない
4%・・・回答を拒否

イングランド人の大多数はUK在留を望んでいますが、離脱したいイングランド人の数はここ数年で増加している傾向にあります。

左 : UK  右 : イングランド

では、なぜイングランド人はイングランドのUK離脱を望んでいるのか?

理由はいくつかありますが、主な3つの理由を説明します。

1.一部のイングランド人は、イングランドの文化とアイデンティティはUK(British)の文化に包摂されていると感じています。

また多くの日本人がイングランドの文化とBritish文化は同じだと考えているため、説明するのは難しいです。

しかし一部のイングランド人はユニオンジャックが好きではなく、セントジョージズクロス(イングランドの国旗)を使用したいと考えています。
また、UKには国歌(God Save the Queen)がありますがイングランドには国歌がありません。これに対してスコットランドとウェールズには独自の国歌があります。

2.イングランドの議会がない

ロンドンのウェストミンスターには英国議会があります。またスコットランド、ウェールズ、北アイルランドにも独自の議会があります。少し複雑ですが、基本的にはスコットランド、ウェールズ、北アイルランドの議会が国内問題を、国防、国際関係、貿易、移民に関する問題はロンドンの英国議会が解決します。そして英国議会にはスコットランド、ウェールズ、北アイルランドの議員がいます。

これに対し、イングランドには独自の議会はありません。

3.イングランドの税金はスコットランド、ウェールズ、北アイルランドを支援しています。

UKではイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの国民がUK政府に税金を支払い、その後UK政府から公的資金として各国に分配されます。 UKの全人口の84%がイングランドに住んでいるということから、ほとんどの税金はイングランド人が支払っています。調査によると、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドはイングランドに比べて一人当たりの受け取る金額が多いことが分かっており、これを不公平だと感じているイングランド人もいます。

なぜ一部のイングランド人は「British」と呼ばれるのを嫌がるのでしょう?

別の記事で、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの人々が自身の国籍について話す際にどんな言い方を好むかについて書いていますが、私はまだその記事の情報が正しいと思っています。しかし最近では「British」と呼ばれるのを嫌がるイングランド人がかなり多く、この数は急速に増加しているようです。

理由の一つに上記と同じことが挙げられます。一部のイングランド人は、イングランドの文化とアイデンティティはBritish文化に包摂されていると感じているため、彼らは「British」ではなく「English」という言葉を使いたいのです。

しかし、この他にもさらに直接的な理由があります。

近年ではますます多くの移民がUKに移り住み、UKの市民権を得ています。パキスタンから来た人々を例に挙げてみましょう。彼らのような移民は自身をパキスタン人だと認識していますが、彼らの子供たちは同じように感じていないかもしれません。第2・第3世代の移民の多くは自身を‟British”だと思っており、その集団の中には伝統的なUKの文化を知らない人もいます。UKの都市では、移民はUKの国籍を持っていますが英語をまったく話せない人が集まった地域もあります。

このためイングランド人は、インドなどの別の国で生まれてUKに移り住んでいる人も含め、すべての民族に対して「British」という言葉が使われていると感じています。

一部のイングランド人は民族としての独自性を持つことを望んでいるため、「English」という言葉を使用します。自身を「British」と呼んでいる移民のほとんどが、白人のイギリス人だけをイングランド人と呼べると信じているため、彼らは自身のことを「English」とは呼びません。しかし、少数の第3世代の移民が自身を「English」と呼び始めているので、これもまた変わりつつあるようです。

イングランドをUKから離脱させたい、‟English”と呼ばれたい‟British”の人数は今後も増え続けると思います。

多くの人々は、スコットランドが独立したら将来UKは存在しないのではないかとよく考えています。しかし今後、イングランドがUKから離れていくことも要因の一つに繋がるかもしれません。

以上、この記事が何かの役に立っていただければ幸いです。

 

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