RP(Received Pronunciation)は、映画やTVドラマで多く使われているアクセントとしてよく知られています。多くの人がこのアクセントを使いたいと思っており、完璧に話すには数年かかることもあります。では今日はこのRPについてもっと詳しく見てみましょう。
Received Pronunciation(RP)とは?
Received Pronunciationはイギリス英語のアクセントの一種です。略してRPと呼ばれることもあります。よくクイーンズ・イングリッシュと間違える人がいますが同じではありません。(クイーンズ・イングリッシュについての詳細はこちらをクリックしてください)
RPはイギリス南部で話されている、英語をベースとしたイギリス英語の標準的なアクセントです。 19世紀半ば頃から普及し、非常に質の高いアクセントとして知られています。
次の動画ではRPアクセントを使って話していています。
また、RPは方言ではないということを覚えておいてください。それぞれの地域によくあるアクセントとは違うので、RPを聞いてどこの出身かを判断できるというものではないのです。
RPはなぜ人気なのか?
RPは英語の中で最良のアクセントの1つであると言われています。これは上層階級に関連しており、RPアクセントがある人々は通常、しっかりした教育を受けているために社会的威信を持っています。シャーロック・ホームズのようなドラマなど、人気のある登場人物の多くがこのアクセントを使います。
このような理由から、多くの人々はRPアクセントに憧れを持っているのです。
BBC EnglishとOxford English
RPはBBC Englishとも呼ばれています。これはイギリスのBBCが20世紀初頭と中期に、すべてのテレビとラジオ放送でRPアクセントを使用することを決めたからです。
オックスフォード大学とケンブリッジ大学の教授の多くが19世紀の終わりから20世紀の初めに、英語の標準アクセントとして生徒にRPを教えていたこともあり「Oxford English」としても知られています。この2つの大学に通っていた多くの学生がRPアクセントを発展させたのです。

オックスフォード大学
Heightened Received Pronunciation
Heightened Received Pronunciationとは、RPよりさらに優れたアクセントのことを言います。上層階級のほとんどがこのアクセントを持っており、主に社会で言う‟エリート”によって使われていました。HRPアクセントがあるということは富と権力があることを意味していました。また、HRPは時代劇に出てくる非常に重要な登場人物が使うこともあります。標準的なRPのようにHRPも主にイギリスの南部で話されていますが、他の地域でも聞くことができます。
イギリスではどのくらいの人がRPを話す?
ある言語学者によると、イギリスの人口の約3%だけがRPアクセントを持っていて、HRPアクセントがある人はまだ僅かしかいないそうです。RPを話す人が減少するにつれ、このアクセントはさらに社会的に由緒ある言葉となっていきます。
イギリスでほとんどの人は、もう少し現代的なタイプのRPを話しています。多くのネイティブがこのアクセントを‟Standard Southern British”と呼んでいて、これは伝統的なRPのアクセントに似ていますが、発音は少しカジュアルなものになります。
この現代的なRPアクセントはテレビやラジオなどで使われており、従来のRPアクセントよりも社会階級との繋がりは少ないです。