間違えやすい英語㉜
私は数年間、日本人に英語を教えています。これまでの授業の中で、たくさんの生徒が間違えた英語を使っていることに気づきました。このシリーズではいくつかの間違えやすい英語を紹介し、正しい使い方の英語を皆さんと学んでいきたいと思っています。私はイギリス出身なので普段はイギリス英語を使用していますが、ここでの英語はアメリカやオーストラリアなどのすべての英語に該当します。
It’s nice
人の話を聞いていて、「それいいね!」と相づちを打つ場面は多いかと思います。よく「It’s nice!」という表現を耳にしますが、これは状況によって間違った表現になることもあります。今日はこの正しい言い方を学んでいきましょう。
何かについて‟良かった”ということを伝える場合に「It’s nice」と言うのは文法的に正しい表現です。
<例>
A: I went to that new restaurant yesterday.
昨日あの新しいレストランに行ってきたよ。
B: How was it?
どうだった?
A: It’s nice. It’s a good restaurant.
素敵なレストランだよ。
もし相手が良いことを教えてくれて、尚且つ自分にもその経験がある場合は「It’s nice」と言うことができます。また、「~だよね!」と念を押したり、相手に同意の意見を求める場合には「~isn’t it?」と組み合わせて使うこともできます。
A: I went to the new shopping centre in town.
街にできた新しいショッピングセンターに行ってきたよ。
B: It’s nice, isn’t it?
いい所だよね!
では、人はどのような時に間違った使い方をするのでしょう?
大抵の場合は誰かの話を聞いていて、その経験がないのに相手に対して「It’s nice!」と共感したように言ってしまっている事です。
<例> ※Bさんはハワイに行ったことがありません。
A: I went to Hawaii last week. We had such a good time!
先週ハワイに行ってきたよ。すごく楽しかった!
B: It’s nice!
いいね!
このBさんの使い方は間違っています。 また「It’s nice, isn’t it?」も言えません。この言い方だと、Bさんもハワイに行ったことがあるという意味になってしまいます。
では「It’s nice!」を正しく言うには?
このような場合は「That sounds nice!」や、さらにカジュアルに言うのであれば「Nice!」と言うのが最も好ましい表現です。若者がよく「Nice!」と言っているのを聞きますが、カジュアルなので少し注意してください。
①
A: I went to Hawaii last week. We had such a good time!
先週ハワイに行ってきたよ。すごく楽しかった!
B: That sounds nice!
へぇ~いいね!
②
A: I went to Hawaii last week. We had such a good time!
B: Nice!
以上のようなシチュエーションで、自分が経験したことのないことに対して好感を持った時には「That sounds nice!」と使ってみるのをお勧めします。