“Before English”
英語は世界で最も話されている言語ではないのをご存知でしょうか。実は世界で3番目に多く話されている言語なのです。しかし英語は、ビジネスにとって世界で一番必要な言語となってきています。
日本では多くの人が学校の授業で英語を勉強したり、仕事や趣味のために英語を学んでいます。時に英語は理解するのが難しい言語でもあります。英語は1800年以上に渡ってゆっくりと発展しており、現在も進化を続けていることが重要なポイントです。私は言語の歴史を理解することで、その言語を学ぶために役立つのではないかと考えています。
このシリーズでは英語の歴史を説明しながら、皆さんに英語を少しでも分かりやすく理解してもらえるよう手助けできればと思っています。
英語が始まる前
誰もがご存知の通り、英語はイギリス発祥です。しかしいつイギリス人が英語を使い始めたのか、またそれ以前に別の言語があったのでしょうか?
約2000年前、この時はまだ英語は存在していませんでした。当時のイギリスは、多くの異なるネイティブの部族によって構成され、この部族のほとんどがケルト族でした。彼らはすべて違ったケルトの言語で話していたため、共通の言語が存在していませんでした。
これらのケルト語の多くはなくなってしまいましたが、そのうちのいくつかはまだ存在しています。それはウェールズ語です。ウェールズ語はケルト語であり、今でもまだ使われているヨーロッパ最古の言語です。しかし、ウェールズのすべての人がウェールズ語を話すという訳ではありません。(詳細はこちらをご覧ください)
ローマ人
ローマ人は1世紀、自分達の言語と共にイギリスに到来しました。この時の彼らの言語はラテン語でした。ローマ人がイギリスの大半を征服した時、彼らの言語は大きな権力を持っていました。それはイギリスのラテン語として知られるようになり、社会の中で最も権力の強い人々によって使われていたのです。そのため一般の国民がラテン語を使うことはなく、その後もラテン語は母国語にはならず、ケルト語が彼らの言語として使用され続けていました。

ラテン語
5世紀、ローマ人はイギリスを去りました。彼らの言語もそのうちなくなりましたが、その中のいくつかは引き続きネイティブのイギリス人によって使用されていました。その言語のいくつかは現在もまだ存在しています。
例:Mile (ラテン語:mil) , Anchor (ancor), Street (straet), Plant (plante), Wall (weall)
ラテン語は歴史上、英語に3度の異なる影響を与えてきました。最初はローマのイギリスのラテン語、その後は6世紀、そして11世紀に再び使われるようになります。このシリーズの後半では、6世紀と11世紀のラテン語について話したいと思います。
ローマ人がイギリスの共通言語にほとんど影響を与えなかったのは驚くべきことですが、まもなくアングロサクソン人がやって来て、本格的に英語が話されるようになります。次回は “Old English”について見ていきましょう。