あなたはイギリス英語を話せるようになりたいですか?
ここでは、英語の話し方を少し変えることで、よりイギリス人の英語に近づける方法を説明したいと思います。アクセントではなく単語の選び方と表現に注目していきましょう。イギリス英語の発音とアクセントを使った話し方については別の記事で紹介する予定ですが、イギリス人のように話す力を身に付けるためには、ここで説明する内容の方が役立つと思います。
覚えておくべき重要なこと
すでに別の記事で何度も言及してきましたがもう一度繰り返します。日本人の中には英語をイギリス英語(British English)とアメリカ英語(American English)の2つに分ける人が多くいますが、実際には「British English」というようなものは存在しません。イギリス人の発音、アクセント、方言、口語はイギリス各地によって大きく異なります。したがって形式は1つのみと言うことは不可能です。またイギリス人は「British English」とは言わず、単に「English」と呼びます。これは彼らにとって「English」がイギリスから生まれた母国語であるからです。
次に、今まで日本人はアメリカ英語を勉強する傾向にありましたが、最近は変わり始めています。そのため多くの日本人が知らないうちにアメリカ化された英語を話しています。日本人にとっては「標準英語」で話していると感じているかもしれませんが、イギリス人にはとてもアメリカ英語に聞こえるのです。
以前、イギリス英語とアメリカ英語の違いについて説明した記事を書いたことがあるので、この記事の前にそちらを読むことをお勧めします。その記事はこちらからご覧ください。
イギリス人のように英語を話したい方は、ここで説明することが重要となってきます。
1. イギリスでは使わない言葉を学ぶ
先程述べたように、多くの日本人は気付かずにアメリカ英語の単語を使っています。とても些細なことだと思うかもしれませんが、イギリス人は日本人がそれらの言葉で話しているのを聞いたら、彼らにとっては外国の英語に聞こえてしまうでしょう。
下記に一般的に使われているアメリカ英語の単語を一部挙げましたが、イギリスでは使用しません。
日本語 | イギリスでは使わない言葉 | イギリス人が使う言葉 |
休暇 | Vacation | Holiday |
サッカー | Soccer | Football |
お手洗い | Bathroom | Toilet |
お母さん | Mom | Mum |
絆創膏 | Band Aid | Plaster |
スニーカー | Sneakers | Trainers |
飴 | Candy | Sweets |
‘Mom’/’Mum’はそんなに重要ではないと感じるかもしませんが、イギリス人には分かるでしょう。
ここで全部の単語を挙げることはできないので、実際にネイティブのイギリス人と会話をして耳で聞きながら学ぶことが重要です。イギリス英語の単語は、このサイトの「イギリス英語‟言葉と表現”」の項目から学ぶこともできます。
2.「All right?」/「Okay?」を使いましょう
他人に挨拶する際は通常「How are you?」という表現を学びますが、イギリス人はよく次のように言います。
イギリス英語 | 日本語 |
You all right? | 元気? |
All right? | 〃 |
You okay? | 〃 |
上のフレーズ’You all right?’の意味は「大丈夫ですか?」の意味があるため、アメリカ人にとって混乱を招くことがあります。
3.「Quite」を頻繁に使いましょう
英語で「Quite」は「かなり」を意味し、これは副詞になるので形容詞の前に使用されます。イギリス人はこの単語を頻繁に使いますが、正直なところ人々はあまり意識せずに使っているようです。
皆さんも日常会話の中でなるべく使うように意識してみてください。
例文
This cafe is quite nice.
このカフェは結構いいね。
The film was quite boring.
この映画はかなりつまらないね。
I feel quite tired.
かなり疲れました。
She was quite annoyed.
彼女が結構ムカついた。
4.「Reckon」を使いましょう
英語で意見を述べる際、多くの人が「I think ~」と表現しますが、イギリス人は「Reckon ~」という言葉もよく使っています。これは日本語で「推測する」という意味になり、何かが起こることを期待する時によく使われます。
例文
(明日の映画は)
I reckon it’ll be good.
良いと思います。
(試合に)
I reckon they’ll lose.
負けると思います。
What do you reckon?
どう思いますか?
5. 時間について話す時
ほとんどの人が時間を表現する際、次のように学んでいます。
10.30am = Ten thirty
これは問題ありませんが、イギリス英語を話す人は次のように言います。
10.30am = Half past ten
10.30am = Half past ten in the morning (朝の10:30であるということを言う場合)
イギリス英語で時間を表す言い方の例は以下の通りです。
10.00 | Ten |
10.05 | Five past ten |
10.10 | Ten past ten |
10.15 | Quarter past ten |
10.16 | Sixteen minutes past ten |
10.30 | Half past ten |
10.35 | Twenty five to eleven |
10.40 | Twenty to eleven |
10.45 | Quarter to eleven |
10.59 | One minute to eleven |
もし完璧なイギリス人のように話したい場合は「past」を省略して言いましょう。但し、この表現は‟30分”の場合のみ使うことができます。
10.30am = Half Ten
6. ‘ish’を使いましょう
時間について話す時、大体の時間を表現する「ish」という単語を付け加えることができます。
例文 1
A: What time will you be at the office?
事務所には何時に着く予定ですか?
B: Around 11ish.
11時頃かな。
例文 2
A: I’ll be there at 12.
12時に着く予定です。
B: I’ll try to be there for 1ish.
1時頃着くようにします。
7. イギリス人がよく使う言葉を学びましょう
下記に、イギリス人がよく使う短い単語とその意味をいくつか挙げてみました。
Ta | ありがとう |
Cheers | ありがとう |
Ta-ta | バイバイ |
Pint | 生ビール |
Tea | 夕食 (北イングランド) |
Cuppa | 紅茶 |
Nan | おばあちゃん |
8. 男性にとって重要なこと
イギリス人男性は他の男性と話す際、「Mate」という言葉を使います。日本語では「仲間」という意味があり、通常は友人同士で使われています。しかしイギリスでは知らない男性に対しても使うことがあります。
(友達への挨拶)
‘You alright, mate?’
元気?
(知らない人に「すみません」と言う際)
‘Excuse me, mate. Can I come past?’
すみません、通してください。
通常、男性のみが使う言葉なので女性の方にはこの言い方はお勧めしません。
9. 女性にとって重要なこと
イギリス、特に北イングランドでは、40歳以上の女性はよく人のことを老若男女問わず「Love」と呼びます。例えば店員がお客さんと話す際に次のように言うことがあります。
(お会計時)
“Here’s your change, love.”
おつりです。
また年齢問わず、労働者階級の男性は知らない女性、特に若い女性に対して「Love」と呼ぶこともあります。
Excuse me, love. Could you move your car, please?
すみません、車を移動してくれますか?
このような場合にロマンチックな意味はなく、イギリス人は時々フレンドリーな言葉として使っているだけなのです。もしイギリスにいたら、人々はあなたまでこの言葉を使うかもしれません。
しかしこの単語の正しい使い方を知るのは難しく、特に40歳未満の女性は夫や彼氏以外にはあまり使わない言葉なので、若い日本人女性はイギリスではこの言葉は使わない方がいいかもしれません。
以上、ここで紹介したことをすべて実行することで、イギリス人のような英語が話せる第一歩となるでしょう。次回は、イギリス英語の発音とアクセントを身に付ける方法について書きたいと思います。