EIKOKU GO

Everything British

EIKOKU GO

Everything British

セント・パトリックス・デー 「St. Patrick’s Day」

アイルランドの有名な祝祭日


皆さんは‟聖パトリックの祝日(セントパトリックスデー)”というの を聞いたことがありますか?近頃、日本でも知られるようになってきました。これはアイルランドの祝祭日です。このウェブサイトでは主に、イギリスとイギリスの文化についてご紹介しているので、なぜ今日はアイルランドの祝祭日について書いているのか不思議に思う人がいるかもしれませんが、これには理由があります。

まず、セントパトリックスデーは北アイルランドとアイルランド共和国の祝祭日であり、多くのイギリス人がこの日を祝っています。そして聖パトリックはイングランド人であったということです。

では、もっと詳しく見ていきましょう。

聖パトリックとはどんな人?

前に述べたように、聖パトリックはイギリスで生まれました。彼が何年に生まれたのかは定かではありませんが、多くの歴史家によると385年だと言われています。彼の家族はキリスト教でしたが、パトリック自身が若い頃はあまり信仰的ではありませんでした。彼が16歳の時イギリスに航海したアイルランドの海賊に捕らえられ、奴隷としてアイルランドまで連れて行かれました。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/21/Saint_Patrick_Catholic_Church_%28Junction_City%2C_Ohio%29_-_stained_glass%2C_Saint_Patrick_-_detail.jpg

聖パトリック(教会のステンドグラス)

パトリックはアイルランドで奴隷として6年間過ごしました。言い伝えによるとある夜、神は夢の中でパトリックと話し、イギリスに帰るよう彼に言ったそうです。それを機にパトリックは奴隷の所有者から逃げ出し、アイルランドの海岸まで320kmも歩きました。そこで彼は船を見つけ帰国することができ、その後家族と再会しました。このような経験を経てパトリックは非常に信仰的になっていきました。そして彼はキリスト教徒に人生を捧げることを決めたのです。

やがてパトリックは、キリスト教徒を広めるためアイルランドに戻ることに決めます。彼はいくつかの学校や教会を設立し、多くのアイルランド人を改宗しました。言い伝えによると彼はまた奇跡を起こしたそうです。その有名な出来事の1つはアイルランドにいるすべての蛇を国から追い出したことでした。しかし科学者はアイルランドに蛇は存在していなかったと言っています。

パトリックが亡くなった日も不明ですが、歴史家によると5世紀の終わり頃ではないかと言われており、それが3月17日であると言う人もいます。そのため3月17日がセントパトリックスデーと定められたのです。そして聖パトリックはアイルランドにキリスト教を広めた責任者であると考えられています。

セントパトリックスデーは5世紀以降アイルランドの人々に広く知られていましたが、17世紀には正式なキリスト教の祝祭日となりました。

人々はセントパトリックスデーに何をする?

アイルランドでは国籍関係なく、誰もがこの祭日を祝うことに幸せを感じています。最も知られている伝統行事は、緑色の服を着てギネスビールを飲むことです。

アイルランド共和国と北アイルランドの町や村では多くのパレードが行われます。そしてアイルランド共和国の首都ダブリンでは最大のイベントが開催され、北アイルランドの首都ベルファストでも数多くのパレードとイベントが行われます。またアイルランド以外では、ロンドンで開催されるイベントが次に大きいと言われており、これはロンドンには多くのアイルランド人が住んでいるためです。あの有名なトラファルガー広場の噴水が3月17日になると緑色に変化することもあるそうです。そして夜にはロンドン・アイが緑色に点灯します。またバーミンガムやマンチェスターなど、イングランドにある他の街でもセントパトリックスデーを祝福するイベントがあります。リバプールにはアイルランド系の祖先をもつ人達が多くいるため、色々な場所でこの日が祝われています。

おもしろい事実

実は緑色は聖パトリックのオリジナルカラーではないことを知っていますか?実際には青色だったのです。1780年代後半、聖パトリックはスカイブルーに関連していました。聖パトリック勲章はアイルランド/イギリス系の騎士団勲章であり、当時その色は青色だったことが由来となっています。

聖パトリック勲章

では、どうして現在は緑色なのでしょうか?

18世紀と19世紀では、緑色はアイルランドの民族主義者によって使用されていた色であり、 20世紀初頭からアイルランド国旗に使われていた色も緑色でした。こうして聖パトリックのカラーは青色から緑色に変わっていったのです。

St. Patrick’s Cross

また、アイルランドの当初の国旗が‟St. Patrick’s Cross”と呼ばれていたという興味深い事実もあります。これは当時、アイルランドを代表する国旗でした。St. Patrick’s Crossは、イギリス国旗のユニオンジャック(ユニオンフラッグ)の中に取り入れられています。アイルランド共和国が1922年にイギリスから独立した時にはSt. Patrick’s Crossは既に使われておらず、代わりにアイルランドの三原旗(緑・白・オレンジ)を使用するようになりました。それ以来、St. Patrick’s Crossは北アイルランドの非公式の国旗として使われていたのです。

アイルランド人にとって、セントパトリックスデーに人々が行う迷惑なこととは?

前にも述べましたが、アイルランド人にとって様々な国籍の人がこの日を祝うことを快く感じています。しかし、ある人々が行なっている迷惑なこともいくつかあるようです。

多くのアイルランド人が19世紀にアメリカへ移住したことにより、たくさんのアメリカ人がセントパトリックスデーを祝っています。そしてアイルランド人の祖先を持つ多くのアメリカ人が、この日を祝うことにとても誇りを持っています。しかし200年前にアイルランド人の祖先が1人だけいた、またはアイルランドとは希薄な関係にあったであろう多くのアメリカ人が、セントパトリックスデーになると自身を‟アイルランド人”と呼びます。アイルランド人の祖先をまったく持たないアメリカ人でさえも、同じように呼んでいるようです。彼らは自身がアイルランド人であるということを他人に言い続けており、本当のアイルランド人達を悩ませています。その理由はアメリカ人がアイルランドの文化、歴史、言語などの知識を持っていないからでしょう。それに加え、セントパトリックスデーではない日にもこのように主張する人々は、アイルランド人の祖先やアイルランドの国自体を気にかけない人がほとんどなのです。

クローバーはセントパトリックスデーのシンボルです

そしてもう一つの理由は、アメリカでは多くの人々が”St. Patty’s Day”と呼んでいることです。”Patty”は正しい言葉ではありませんが、多くのアメリカ人がこれは‟Patrick”を省略した言葉で正しい言葉であると主張しています。しかし正しい省略形は”Paddy”であり、アイルランドやイギリスでは‟Patty”と言う人はいません。実際に‟Patty”は英語で「ハンバーガーのパティ」を意味します。もしアイルランド人が正しい言葉を教えたとしても、アメリカ人は聞く耳を持たず、‟Patty”と言い続けるでしょう。これがアイルランド人を困らせる問題となり、彼らはなぜ “Patty”が正しくないのかを説明する特別なウェブサイトを作りました。とてもユーモアのある内容となっているので、是非一度ご覧ください。サイトはこちらから見ることができます。

このような問題はありますが、アイルランド人にとって様々な国の人々がセントパトリックスデーに緑色の服を着たりギネスビールを飲んで祭典に参加することは問題ではありません。

もしこの記事に興味を持っていただけたら、以下の記事も併せて読んでみてください。

イングランドの「セント・ジョージ・デー

スコットランドの「セント・アンドリューズ・デー

ウェールズの「セント・デイヴィッド・デー

 

 

Image Credit: Saint Patrick Catholic Church (Junction City, Ohio) – stained glass Saint Patrick – detail by Nheyob (Own work) [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], via Wikimedia Commons

関連記事

【最新】人気記事TOP5

イギリス英語TOP5

人気記事TOP5