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クリスマス映画「スノーマン」

イギリス人がこの映画を好きな理由とは?

毎年クリスマスが来ると多くのイギリス人が「The Snowman(スノーマン)」という短編映画を観ています。ストーリーは南イングランドの田舎に住む少年が雪だるまを作り、その雪だるまが命を得て彼と友達になるという話です。この映画は多くの人にとって重要であり、子を持つ親達が子供に見せたい映画でもあります。

では、この記事では映画「スノーマン」についてお話したいと思います。

スノーマン

元々「The Snowman」は、有名な児童文学作家であるレイモンド・ブリッグズが描いた文字のないイギリスの絵本でした。この絵本は1978年に発売されると、瞬く間に人気を集めました。そして25分間の映画バージョンも作られ、1982年にはイギリスの‟4チャンネル”と呼ばれるテレビ局で放送されるようになりました。

このアニメーション映画も非常に人気となり、毎年クリスマスになるとテレビで放送されています。今までに何百万人ものイギリス人の子供がこの映画を見ていて、世界中でも放映されています。短いナレーションを除き、会話は一切ないので、誰もがストーリーを理解できるようになっています。

映画の画風は本と同じであり、クレヨンとパステルを用いて描かれた伝統的なアニメーション技術を使って作られています。そのためアニメーションはとても美しく斬新な作風ですが、最も有名なのはこの映画で使われている「Walking in the Air」という曲です。この曲は物語の雰囲気にとてもよく合っていて、メロディーは美しく物悲しい雰囲気を醸し出しています。

多くのイギリス人は、ウェールズの聖歌隊であったアレッド・ジョーンズが少年時代に歌っていた曲だと勘違いしていますが、オリジナル版はピーター・オーティーという別の少年が歌った曲です。このオリジナル版が出た3年後の1985年にアレッド・ジョーンズが「Walking in the Air」をカバーし、シングルとして発売されました。このシングルが高い人気を集めたため、多くの人がオリジナルである映画版の曲を歌っていると勘違いしていたようです。

こちらがその曲になります(以下)。YouTube(LINK)

この映画のオープニングにはいくつかのバージョンがあります。オリジナル版では、絵本の作者であるレイモンド・ブリッグズがナレーションを担当し、別のバージョンではデイヴィッド・ボウイがナレーション、また冒頭でも登場しています。そして最後に、物語のキャラクターであるサンタクロースもナレーションをしています。

この映画は25分間と少々長い動画なので、YouTubeやDVDで見ることをお勧めします。デイヴィッド・ボウイ版はこちら、サンタクロース版はこちらからご覧ください。 またオリジナル版であるレイモンド・ブリッグズの「スノーマン」はNetflixでも見ることが可能です。

本と映画の違い

もしこの映画を観る予定がある人は、これからあらすじの説明するので、この続きを読まないことをお勧めします(笑)。

映画版の物語は絵本とは少し異なります。絵本ではクリスマスの言及はなく、少年と雪だるまは海辺の桟橋の上空を飛び、太陽が昇り始めると2人は再び空を飛んで家に帰るという物語です。

映画版の物語の設定はクリスマスで、少年と雪だるまは南イングランドからノルウェーまで海を渡り、空を飛んで北極へと向かいます。そして少年と雪だるまは別の雪だるま達とサンタクロースに出会い、一緒にパーティーをします。サンタは少年にマフラーをプレゼントし、少年と雪だるまは太陽が昇る前に再び空を飛んで家に帰るという物語です。

本と映画の中で、少年は雪だるまに‟おやすみ”と言ってベッドに戻ります。少年が翌朝目を覚まし、ワクワクしながら走って外の雪だるまを見に行くと雪だるまは溶けてなくなっていました。映画版では少年がポケットに入っているマフラーを見てこれは夢ではなかったのだと気づき、友人を失いとても悲しんでいる姿が描かれています。

どうしてこの映画がイギリス人にとって重要なのでしょう?

まず、とても純粋で素朴な映画です。そして言葉はありませんが様々な感情が映像で伝えられています。物語の設定は冬のイギリスの田舎で、とても綺麗で雄大な自然が広がっている場所です。イギリス人はこの映画を観ると感動するようです。

また物語の終わりはとても悲しい話ですが、これは子供達へ‟失うこと”の大切さについて伝えています。本の作者はこの物語を通して子供達に「物事には終わりがある」ということを伝えたかったのだと述べていました。この映画は大人が何度観ても泣けるストーリーなので、涙をこらえて観る人が多くいるようです。

このような理由から、多くの人がこの物語を通して強い感情の結びつきを感じているのです。子供達のために、‟魔法や驚異は永遠に続かない”ということを理解させ、大人には子供の頃にあった感情を思い出させてくれますが、大人になるに連れてその感情を失くしてしまいます。毎年クリスマスにこの映画を観ると、人はその25分間は嫌なことを忘れて非現実的な気持ちになれると言います。

最後に、オリジナル版からちょうど30年経った2012年には”The Snowman and The Snowdog”という物語の続編も作られています。

 

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