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イギリスの多文化主義

なぜ多文化主義を嫌がるイギリス人が多いのか?


イギリスは世界で最も多文化な国の一つです。しかし現在のイギリスでは、多数のイギリス人がこの多文化主義について否定的な意見を持っており、最近の調査(The Guardian, The Independent)ではほとんどのイギリス人がそのように答えていることが分かっています。

ではなぜこのようなことが起こっているのでしょうか?

多文化主義とは?

多文化主義とは、社会において多くの文化や人種を促進するものです。すべての人種と文化には平等な権利と好機があり、そのすべてに同じ重要性が与えられるべきだと主張する政策です。

イギリスの多文化主義の歴史

多文化主義は1940年代後半にイギリスで始まりましたが、それ以前のイギリスは同質の社会であり、単一文化でした。

イギリス政府は1948年から、英連邦の国々から移住してきた多くの人々を呼び入れました。主な目的は当時のイギリスの労働力不足を穴埋めすることでした。イギリスに移住してきた多くはカリブ海、インド、パキスタン出身の人々です。

その後数十年の間に大勢の人々がイギリスに移住したにもかかわらず、比較的にまだイギリスは単一文化でした。しかし1997年になると労働党が総選挙で勝利し、間もなくして全国レベルで多文化政策を開始させました。これはイギリスへの入国が大幅に増加し、多文化主義を促進するための新しい法律が制定されることを意味していました。

それ以降イギリスは世界で最も多文化な国の一つとなり、それは非常に大きな変化でもありました。もし50年前のイギリス人に「イギリス人はどんな人?」と尋ねれば、「イギリス人の両親を持つ白人」という答えが返ってくるでしょう。しかし今同じ質問をすれば、「人種関係なく誰でもイギリス人になることができる」という答えが返ってきます。

例えばイギリスで、日本人の両親の元に生まれた日本人でさえもイギリス人と見なすことができます。イギリス人の中には出生地は重要ではないと言う人もいます。要するに日本で生まれた日本人がイギリス人になりたければ、それは可能なのです。

一部のイギリス人は多文化主義を肯定的に考えており、イギリスが利益を得ていると考えています。

ではなぜこのように考えるのでしょうか?

一部の人々が多文化主義を好む理由

まず一つに、多様な種類の飲食店があることが挙げられます。特にロンドンのような都心では、皆さんが思い浮かべるほぼすべての多国籍料理店を見つけることができるでしょう。イギリスは多文化であるため、他国の人々がイギリスに母国の料理を取り入れるようになったと言われています。これはイギリス人にとって様々な食事の選択肢が増え、食文化に対してさらに興味を持つようになることを意味しています。

もう一つの理由として、広い心を持った社会を創る手助けになると信じている人達がいるからです。肌の色や人種の背景が異なる社会が多様化すれば人種差別は減り、同じ社会で暮らすことに慣れていくと人々は言います。

そしてもう一つのポイントは、多文化な国には国際的な利点があると言う人がいます。もしあなたがいる社会に世界中の人々が存在している場合、他国との取引やネットワークを構築する大きなチャンスがあります。また、イギリスには様々な国から大勢の人が移り住んでいることから、企業では英語以外の言語を使うことができるため会社にとって良い影響となり、イギリス人が多様な言語を学ぶ機会は徐々に増えてきています。

以上を踏まえて、多文化主義が良いことであるという理由を挙げました。

では逆に、なぜ多数のイギリス人はこの多文化主義について否定的な意見を持っているのでしょうか?

なぜ多文化主義を嫌がるイギリス人が多いのか?

多文化主義に否定的意見を持つ人の大半は、ここ最近だけであるということを覚えておいてください。1940から1990年代にかけてほとんどのイギリス人が肯定的な意見を持っており、多くの人がイギリスは世界で最も多文化を成功させた国であると言っていた程です。英連邦から来た多くの人々が共に平和に暮らし、自らイギリス社会に溶け込むため懸命に働いていました。

では、なぜイギリス人の意見は変わっていったのでしょうか?

その理由の一つに、多文化主義のレベルが高すぎるということが挙げられます。1990年の後半以降、異なる文化の国からイギリスに来る人の割合が非常に高くなり、イギリス社会にその異文化を混在させることはほぼ不可能でした。都市や町のある地域に外国人の人口が多い場合、そこに住む人々にとってネイティブのイギリス人と交流する必要はありません。このような状況が発生した場合、近くにいる人と同じ言語でコミュニケーションできるため、英語を学ぶ必要がないのです。現在、イギリスの一部の地域で英語は話されていません。イギリス第2の都市であるバーミンガムに関する最近の調査では、5万人が英語を話したり理解できないということが明らかになっています。

そして、これが新たな問題を引き起こしています。もし人々が英語を話せなければ、イギリス社会に完全に相和することはできません。これはいくつかのコミュニティがそれぞれの人種ごとに分離していることを意味し、統一効果の代わりに多文化主義がこのような状況をもたらしてしまっているのです。さらにイギリス政府は、他の言語の通訳者やタウン紙に対して多額の資金を費やす必要が出てきます。

また他の影響として多数の少数民族が近隣に移住してくることにより、その人種の人口統計が急速に変わり、ネイティブのイギリス人(白人)はその地域から離れていきます。これが非常に一般的となり、”White flight”という表現をよく耳にするようになりました。これは50年前に90%以上が白人だったいくつかの町や地域で、現在白人のイギリス人が見られなくなったことを意味します。こちらの記事で、ヨークシャーのSavileという町の状況について書かれています。2011年の国勢調査によると、この町に住む4,033人のうちわずか48人が白人であることが分かっています。このように近隣や町が多文化になっているのではなく、ネイティブではない単一文化が存在しているのです。そして色々な場所ではイギリス文化から海外文化に入れ替わってしまっています。

近年、多文化地域での犯罪が大幅に増加しています。特にロンドンでは暴力犯罪が増え、ロンドン出身の若いギャングの一員がこの暴力犯罪の増加についてインタビューを受けています。彼は、ソマリアなどの国からロンドンに移住してきた暴力集団の方が遥かに凶悪で暴力的だと述べました。最初の衝突が起こった時、イギリス人のギャング集団は彼らのようなギャング集団がどれほど凶悪かを思い知らされました。これが暴力の増加を引き起こし、今ではナイフや銃による犯罪が一般的となっているのです。

ここで述べたすべての要因が多文化主義に対する人々の否定的な意見ですが、主な理由ではありません。

主な理由

多文化主義がもたらす最大の問題は、イギリスの法律が不平等に適用されているということです。例えば法律上、結婚は1人の人とすると定められています。男性が同時に複数の女性と結婚した場合、つまり一夫多妻制は違法となるため刑務所行きとなりますが、この文化が一般的となっている国もあります。

では、このような文化を持つ国の人々がイギリスに移り住んだら、一体どのようなことが起こるのでしょうか?多文化主義はすべての文化が平等であると主張していますが、国の法律では認められていません。

白人のイギリス人がこのような犯罪を犯すと逮捕、起訴されることが多いです。しかし、少数民族の人が同じことをしても、それが彼らの文化の一部である場合は警察は何もせずにほとんど見過ごしています。なぜこのようなことが起こってしまうのか、疑問に思う人もいるかもしれません。それは犯罪を犯した少数民族に対して何か行動を起こすと「人種差別主義者」と罵られ、それを恐れているからです。要するに多くの状況において警察と裁判所は、犯罪を犯した人の人種的背景に応じて法律を適用しているのです。

他国の人々の多文化主義が原因となり、イギリスの法律に違反しているいくつかの大きな事例があります。これらの犯罪は見過ごされていますが、私はこの詳細についてここで挙げることはできません。ほとんどの人が上記の例から、さらに深刻な状況が起こっていることを理解できると思います。

多文化主義とは、ネイティブのイギリス人のための法律と他文化の人々のための別の法律があることを意味し、これは公平を重視するイギリス人の大きな怒りを引き起こすこととなります。

多文化主義の未来

2011年、当時の首相デイヴィッド・キャメロンは「多文化主義は失敗に終わった」と演説しています。多くの政治家は多文化主義が失敗し、とても不評だったことを認識していたにもかかわらず、まだ促進しようと力を入れていました。

イギリス国民はこれについて非常に腹を立てています。多くのイギリス人は多文化主義を望んでいるかどうかについては尋ねられたことはないと言っています。政府は、国民の同意なしでイギリスは多文化になる必要があると決めたのです。多くのイギリス人が多文化主義のせいで今まで以上に国がバラバラになり、社会的な結束が崩壊していると言っています。ほとんどの場合は政府が起こした問題ですが、国民はこの結果に苦しみを強いられているのです。

最近では多くの多文化運動家が、イギリスは常に多文化であると述べています。例えばケルト人、ローマ人、アングロサクソン人、バイキング、ノルマン人などの例を挙げ、イギリスはいつも異なる人種を互いに持っている多文化社会であり、共に平和に暮らしていると言っています。しかし言及しなかったのは、これら全ての民族がイギリスを侵略したか、暴力的な戦争を起こし多くの紛争があったということです。イギリスの歴史を知っている人であれば、アングロサクソンとバイキングは平和な共存をしていないということは知っているでしょう。

通常、多文化主義を促すネイティブのイギリス人のほとんどが、白人の人口密度が最も高い地域に住んでいます。彼らは、他国から移住してきた人が多くいる地域には住んでいません。また100%異文化に変わった地域にも住んでおらず、多文化主義が起こった結果には直面していないのです。このような人々が他の多文化を嫌う白人に対して、多文化主義、人種差別主義、ファシズム信奉者または外国嫌いという風に呼んでいるのです。

ほとんどのイギリス人にとって多文化主義とは、異国間のコミュニティが更に分離され、英語を話せる人が少なくなり、更に多くの地域が危険にさらされ、イギリスの文化は徐々に浸食し外国文化に代わることを意味します。多文化を望んでいないイギリス人にとって、イギリスで多国籍料理が食べられるということはほんのわずかな利点にしかすぎないのです。

以上が、イギリスの人々が多文化主義に対して否定的な見方をしている原因です。

 

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