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イギリスの入国問題

現在問題となっているイギリスへの入国について

多くのイギリス人が自身の国について不安に感じていることは、イギリスへの移民者数です。おそらく皆さんもイギリス国民が外国人を好まないことや、イギリスに移住する人々に反対していることについて、ニュースなどで見たことがあるかと思います。これは本当なのでしょうか?今日はこの移民問題について話したいと思います。

移民の水準

第二次世界大戦後の1945~1997年の間、イギリスへの移民の年間水準は毎年約3万人(ネット)でした。これは選挙で労働党が勝利し、1997年に政権に就いた時に大きく変化しています。労働党の政策は移民の水準を上げることであり、2000年代初期に東ヨーロッパから移民制限を緩和することも決定されました。労働党はこれにより、移民が毎年約1万3000人ずつ増えていくと予測していました。

しかし移民者数は劇的に増加しました。 2015年には移民が年間約332,000人まで増えたのです。もし英語で読める方は、正式な数が表示されているこちらをご覧ください。 332,000人はネットの数字です。

イギリスに来た実際の移民者数は631,000人、イギリスから他国へ移住したのは299,000人という結果が出ています。この数字はEU諸国からの移民だけではなく、世界中すべての国からの入国を示したものであり、1998〜2016年の平均入国者数は毎年約225,000人(ネット)となっています。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/89/UK_Migration_from_1970.svg

Immigration:(入国)移住 Emigration:自国から他国への移住

入国者数に対する論争

多くの国民が移民の統計について揉めており、実際の人数はこれより遥かに多いと主張しています。
上記の統計はONS(Office of National Statistics/国家統計局)によって提供されています。毎年、国民保険/National Insurance(イギリスで働くためにはこれが必要となります)を申請している人数(イギリス国民以外)が、ONSで示されている入国者数よりも遥かに多いことに人々は気づきました。

国民保険事務局によると、2015年に約655,000人のEU国民が国民保険の申請をしています。ONSの結果では、同年にイギリスに入国したEU国民の数は257,000人となっています。この数字には大きな違いがあることがお分かりでしょうか?(BBC News)

これに加えてONSの調べによると、イギリスでは2011年6月から2015年6月までにEUから入国した移民の数が1,004,000人となっています。しかし国民保険事務局では、同じ期間に国民保険の申請をしたEUからの移民数は2,234,000人というデータが出ています(BBC News)。なんとここで120万人もの違いが出ているのです。政治家の中には、「仕事のためにイギリスで1〜2ヵ月間の滞在を要する人もおり、そのためには国民保険に加入せざるを得ない」と主張している人もいます。しかしイギリス国民はONSの数字が間違いであり、年間の移民者数は平均で225,000人を遥かに上回っているのではないかと考えています。

 

また、スーパーマーケットでもさらに多くの情報が提供されています。イギリスのスーパーマーケットでは、店の来客数と食材の売上げ数を記録してイギリスの人口を割り出しています。その調べによると、イギリスの人口は約7,700万人となっており、公式に政府が公表している人口は約6,500万人という数字が出ています。

この2つの数字には大きな相違があるため、多くの人は政府が人口の増加と本当の移民者数について正しい公表をしていないのではと感じています。そしてイギリスへの移民を制御できていないため、大幅に削減する必要があると考えています。ですが、EUの加盟国であればEU内での入国制限がありません。これが原因となり、多くの人々が2016年の国民投票でEU離脱に投票したのです。この投票の詳細についてはこちらからご覧いただけます。

悪影響

イギリスの病院、道路、学校は20年以上前に比べてかなり密集しています。入国を支援する人々はこの増加に伴い、政府インフラに十分な投資をしていないということを主張しています。

また他の人々は225,000人を収容するのに十分な病院、学校、道路を毎年建設することは実際には不可能であると考えています。(この225,000人にはイギリスで出生した人は含まれていません)

また、この問題によりイギリスでは住宅が不足しており、現在の移民水準に対応するために4分毎に新しい家を建設する必要があると推定されています。(Fullfact)

これはイギリスでの人々の生活の質が低下していることを意味しています。病院の待ち時間が長くなり、診察を受けるために何週間も待たなければならないのです。また道路では渋滞が発生しているため、車での旅行は非常に時間がかかります。そしてイギリスの労働者よりも安い賃金を受け入れる他国の労働者が増えているので、全体的にイギリスの賃金は安くなってしまいます。空きのある住宅が少ないため、住宅の価格もさらに値上がりしているのが現状です。

毎年、年間でイギリスの出生水準と平均入国者数(225,000人)を合わせた数は約50万人と言われています。これはイギリスの人口が急速に増加しているこを意味し、また多くのイギリス人はこれよりさらに増加しているであろうと確信しています。

繊細な問題

世論調査によると、大多数のイギリス人は移民を減らそうとしていますが、政府はこれに対して耳を傾けません。この話題を公の場で話すことさえ難しくなっています。移民の削減を求める人々のことを、‟危険で過激な人達”とも呼んでいます。メディアは多くの人が人種差別主義者か、右翼であるというイメージを作り出し、イギリスの人々は怠け者で働く意欲がないと主張しているのです。また、移民は低賃金での雇用を喜んで受け入れますが、一方でイギリス人はそれを拒否していると言われています。

これは果たして事実?

答えは「NO」です。もちろん少人数が人種差別主義者か、他国のように過激な政治的意見を持っているかもしれませんが、大半のイギリス人は将来を不安に感じている普通の人々です。イギリス人は外国人を快く受け入れる習慣があり、人種差別主義者ではありません。したがってイギリスの法律と文化を尊重している人であれば、どんな人でも入国は歓迎です。

また移民の問題により、十分な仕事がないために仕事に就けない多くの若者もいます。イギリスの人々がある一定の仕事を承諾できない理由として主に挙げられるのが、給料が少なすぎるということです。当たり前ですが、自分自身または家族と一緒に暮らすために家賃などの生活費を支払わなければなりません。東ヨーロッパの人は小さなアパートに複数(約8人ほど)で共同生活をすることができるため、家賃を大幅に削減できます。つまり少ない支出で済むため、安い給料でも生活することができます。さらに為替相場に起因してポンドの価値がかなり上がるため、多くの東ヨーロッパの労働者が母国に送金しています。

イギリス人が東ヨーロッパの人々を嫌っている訳ではありませんが、低賃金の仕事を承諾する労働者(移民)が多いことで、イギリス国民は生計を立てるのに十分な仕事を見つけることができません。また、彼ら(移民者)はできるだけ安い賃金で雇う雇用主によって利用されていることもあります。

多くのイギリス人は、もし自分が東ヨーロッパの人間だったら彼らのように異国で働き、同じことをするだろうと答えました。しかしながら、ネイティブのイギリス人の人口に大きな支障を引き起こしているのが現状です。

移民の増加を支持するグループや慈善団体があります。政治家の中には無制限に移民を入国させることを望んでいる人もいます。また、人種差別主義者と言われることを恐れている政治家は、この問題については関わろうとはしません。

国の危機

大半のイギリス人は、政治家はこの問題を解決するために何もしてないのでは、と感じています。また国民は、懸念を抱いて悪者扱いされることに疲れてきています。国民が懸念している問題について誰も耳を傾けようとしなければ、国民による暴動が起こる恐れがあること、そして過激派の政党(極左と極右)が支持を得る危険性があるのです。

また、もし移民を制御できなければ文化的影響と共に他の問題も出てくるでしょう。次回はその問題について見ていきます。

 

Image Credit: UK Migration from 1970 by Chris55 (Own work) [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], via Wikimedia Commons