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イギリスの人種差別問題

イギリスは人差別のある国なのでしょうか?


近年ではイギリスの人種差別が大きな問題になっており、イギリス人は物心がついた時から人種差別主義者であると言う人もいるようです。果たしてこれは本当なのでしょうか?ここでは、このテーマについて正直に話したいと思います。また、人種差別問題に関する様々な調査についても紹介します。

この記事は色々な公式の情報を用いて書いており、ここで挙げているリンクはすべて公式サイトのものです。もし英語が理解できて、事実かどうか知りたい人は、ご自身で確かめてみてください。

人種差別とは?

まず、人種差別の定義が何かを理解することが重要です。

それはなぜ?

多くの人々がその定義について異なる意見を持っているからです。

例えばイギリスで、入国規制がかかっていない移民に反対し、厳重な出入国管理を望んでいる人がいたとすれば、その人は‟人種差別主義者”として定義されることがあります。しかし、ほとんどの人がこれは保守的であると言うでしょう。

辞書に書かれている人種差別の定義とは、‟人間の肌の色、民族性、国籍において偏見や差別を示すこと”です。

ここで言う‟人種差別”とは、この定義の意味で使用しています。

統計

私は様々な調査結果を集めてみました。

まず「Legatum Prosperity Index(レガタム繁栄指数)」は、149カ国の富、経済成長、教育、健康、個人の幸せ、生活の質などを測定しています。
そして「個人の自由」というカテゴリーでは、各国の法的権利、社会的寛容、個人の自由を測定します。最新の調査結果によると、このカテゴリーでイギリスは149位中18位という結果が出ています。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/74/Prosperity_of_countries_according_to_the_Legatum_Prosperity_Index_%282017%29.png

アメリカのハーバード大学では、人種差別問題に対する意識について広範な研究を行っています。特にこの研究では、白人と黒人の顔写真を見て、それぞれにポジティブな言葉とネガティブな言葉を選択するようヨーロッパの白人に尋ねます。彼らの選択によって、他の人種に対して無意識に偏見を持っているかどうかを明らかにさせます。この結果で点数が低いほど(青色)、その国は様々な人種に対して寛容だということが分かります。

https://figshare.com/articles/European_map_of_Implicit_Racial_Bias/4750588

Credit: Figshare

またご覧のように、イギリスはヨーロッパで最も低い国の1つであることが分かります。

2015年には、EUで差別に関する調査が行われました。

※緑色が濃い国ほど「問題がない」を示しています。

質問①「あなたの子供が黒人と交際をしていたら、それは問題ですか?」

https://www.reddit.com/r/MapPorn/comments/6t41vm/eu_would_you_feel_comfortable_if_your_child_was/

Image by reddit user u/bezzleford

質問②「あなたの子供がアジア人と交際をしていたら、それは問題ですか?」

https://www.reddit.com/r/MapPorn/comments/6t41vm/eu_would_you_feel_comfortable_if_your_child_was/

Image by reddit user u/bezzleford

質問③「あなたの子供がイスラム教徒との人と交際していたら、それは問題ですか?」

https://www.reddit.com/r/MapPorn/comments/6t41vm/eu_would_you_feel_comfortable_if_your_child_was/

Image by reddit user u/bezzleford

質問④「あなたの子供がユダヤ人と交際をしていたら、それは問題ですか?」

https://www.reddit.com/r/MapPorn/comments/6t41vm/eu_would_you_feel_comfortable_if_your_child_was/

Image by reddit user u/bezzleford

上記のデータからわかるように、イギリスはヨーロッパ、そして世界で最も寛容な人種差別社会の少ない国の1つなのです。

さらに、これを証明するための多くの研究データが実際にはありますが、あまりにも多いためここでは一部を挙げています。

イギリスに人種差別主義者は住んでいるのでしょうか?

はい、残念ながらいます。ですが私は、イギリスは他の国より人種差別主義者が多いとは思っていません。実際には、上のデータを見ると反対であるように思われますが、おそらくイギリスは世界でも有数の人種差別主義者が少ない国と言えるでしょう。

今はまだ、イギリスにいる人種差別主義者は少数であり、おそらく100人に1人の割合でしょう。このような人種差別主義者は一般的に善人ではないということを覚えておいてください。中でも一部のイギリス人は民族性に関わらず、すべての人に対して挑発的、無礼であり人を不愉快にさせます。そして相手が同じイギリス人であっても、顔を合わせるとこのような態度を示すことがあります。私はイギリス人ですが、愛想がなく失礼で挑発的、またはこれといった理由がないのに脅迫的なイギリス人に会ったことがあります。そして残念ながらすべての国にこのような人が存在します。

人種差別問題は悪化しているのでしょうか?

現時点で私はそうは思っていません。イギリスには常に少数の人種差別主義者が存在しているため、この数が増加しているとは感じていません。多くの人はイギリスがEU離脱に投票して以来、人種差別犯罪が増加していると述べていますが、これが全て正しいという訳ではありません。

国民投票の結果後、ある人種差別的な事件が警察に報告されました。イギリスに住むポーランド人の家のポストに手紙が入っており、そこには”母国に帰れ”または “これ以上ポーランド人はいらない”と書かれてありましたが、これは非常に珍しい出来事でした。

メディアでは、2016年7月の国民投票後の数ヶ月間で憎悪犯罪が41%増加したと報告されています。ここでキーワードとなるのは‟報告された”という声明です。警察によると多くの人々(イギリス人と外国人)は、ナイジェル・ファラージという政治家をテレビで見た時、警察にこれは憎悪犯罪であると報告したことが明らかになりました。実際にそれを説明しているのが下の動画になります。

警察はこのようなことは時間の無駄であり犯罪にはならないと思いましたが、まだ記録として残っており、その月の‟報告”として含まれていました。メディアは、憎悪犯罪によって逮捕または起訴された人の数が増えたとは伝えませんでした。

イギリスの警察によると、誰かが人種差別による被害者であると‟認識”した時点で、憎悪犯罪として警察はその被害者の気持ちを優先しなければならないようです。要するに、憎悪犯罪だと感じた時点で誰でも警察に報告することができ、自動的にその報告は記録されるのです。

テレビで好きではない人物を見ることが憎悪犯罪として報告され、このようなばかげたことが人種差別の増加であると誇張されていたら、もちろん国民はこの増加を信じないのは当然でしょう。

さらには‟偽造”憎悪犯罪が増加しており、実際には起こっていないのに憎悪犯罪の被害者であると主張する人がいるのです。

最近の例で言うと、2015年11月にバーミンガムで顔を殴られたと主張するイスラム教徒の若い女性のことです。それはパリで起こったテロ事件の10日後のことでした。その女性はヒジャブ(イスラム教の女性が顔を覆っているベール)を身に付けていたため、男性は背後から襲いかかり、顔を殴ったと言います。事件が起こった場所と時間、そして暴行の詳細を警察に伝えた後、警察はCCTVの映像を数時間にわたり確認しました。警察は事件の証拠となる映像はなく、写っていたのはその女性が道路をただ歩いているだけの映像でした。女性が嘘をついて捜査の時間を無駄にしたため、警察は女性に90ポンドの罰金を支払うよう命じました。

憎悪犯罪の被害者であると主張する人の多くは、それが自分自身に起こった事件だとよく言いますが、実際に起こったかどうかを確かめるのは非常に困難なことなのです。ほとんどの場合がそれは嘘だという強い根拠がない限り、被害者だと主張する人の言うことは信じらてしまいます。したがって憎悪犯罪の‟偽の”報告のために、前述したポーランド人に起こった事件もそうですが、多くの憎悪犯罪が真実かどうかを確かめることは困難でしょう。

なぜ人は人種差別問題が増えていると言うのでしょうか?

白人ではない人や民族的背景を持つ人々は、イギリスの白人は人種差別主義者である、そして常にそうであり、より一層人種差別主義者になっていると言います。

黒人社会にいる多くの若者たちは、イギリスの警察は本質的に人種差別主義者であると言います。これはロンドンなどの警察が、白人よりも若い黒人に対して刃物やその他の武器を保持していないか、停めたり捜索を行っていたことが原因となっています。イギリスの警察は、犯罪統計によると若い黒人男性がロンドンの組織犯罪や刃物による暴力に関与している可能性が非常に高いため行っていると言います。もし実際にあなたがイギリスでこの統計について発言すれば、人はあなたを‟人種差別主義者”と呼ぶかもしれません。

もし犯罪を犯しておらず、潔白である黒人が警察に停められ、所持品のチェックをされるようなことが複数回あれば、黒人の気持ちはうんざりでしょう。実際に2年前、ロンドンの警察は民族的背景のある人種に対して無作為な捜索をやめるように言われましたが、刃物による犯罪が増加したことにより、再び今年も捜索が行われています。

BBCのTV番組「Question Time」から、人種差別主義者であると非難した人の例を挙げたいと思います。

ある若い黒人男性は、イギリスの人々は心の中に外国人嫌悪があると語りました。それを聞いた若い白人は、実際にイギリスはヨーロッパで最も人種差別的社会のある国の一つであると伝えようとします。そして民族的背景を持つ若い女性は、‟白人”は白人として差別を受けないがために‟白人”がそのように発言するのは簡単だと言いました。彼女は、彼が白人であるためその意見は妥当ではないと言いましたが、皮肉にも彼女の発言が人種差別主義者であることを表していたのです。

人種差別は増えていると言うもう一つの理由は、白人のイギリス人達が外国人についてどう話しているかです。例えば、ロンドンの電車やバスに乗っている白人の高齢者たちは「どうして誰も英語を話していないの?」と言うかもしれません。そう、車内にいるすべての人が自身の母国語で話しているからです。これは人種差別と言えるのでしょうか?何人かの人は‟Yes”と答えるかもしれませんが、‟No”と答える人もいるでしょう。

高齢者の方にとっては、自分達が育った国は完全に変わってしまい、もはやイギリスではないと恐怖を感じてしまうかもしれません。また、おそらく彼らは近隣でさえも大きく変わってしまったことに認識できなく怒りを感じるでしょう。そして若い世代の人々は高齢者まで、これが今世界で起こっている事であり強い偏見を持たないように伝えていくかもしれません。

では誰が正しいのでしょう?若い人々は高齢者の考え方を理解するべきなのでしょうか?

今後の課題

多くのイギリス人は、イギリスの人種差別レベルが誇張されていることにとても不安を抱いています。まず、国の国際的な評価を損ない、他人のようにイギリス人が‟人種差別主義者”と言われれば当然嫌な気持ちになります。

そして移民の無制限や出入国の強化のような不安要素について話すことができなければ、どんな種類の議論も不可能になってしまいます。

社会問題について実直に議論ができないことが大きな問題となっています。

最大に恐れていることは、やがてイギリス人を‟人種差別主義者”と絶えず呼ぶことにより、人種差別主義者を生み出してしまうということです。最終的に‟人種差別主義者”という言葉が頻繁に使用され、そしてその本来の意味が失われ、イギリス人が気を止めなくなる可能性があります。何人かの人は、人々の行動や発言がいかに正当であっても、常に‟人種差別主義者”と呼ばれるのではないかと感じ始めているのです。

人々はこのデリケートな問題について話すことができなくなれば、社会は危ない方向へ進んでしまいます。

結局のところほとんどのイギリス人が、イギリスは他の国に比べて世界で最も人種差別問題の少ない国の1つであると言い、私自身もそう信じています。

日本の人々へ私からのメッセージ

残念ながら、イギリスには人種差別主義者はいます。それが1/100人または5/100人であろうと、少人数であることは覚えておいてください。普通のイギリス人は、彼らを容認したり大目に見ることはありません。私は皆さんがイギリスを訪れた際に、人種差別問題に直面しないことを願っています。可能性が低いと確信を持って言えますが、ゼロとは言いきれません。大多数のイギリス人が歓迎し、日本はイギリス全土で高い評価を得ているということは頭に入れておいてください。

私は実際に、外国人に対してとても不親切だったり、非常に攻撃的である日本人に会ったことがあります。このような人のせいでその国のイメージが悪くなることがありますが、私はいつも99%の確率で親切で素晴らしい人に出会うことができたと思うようにしています!

最後に、この問題が原因で‟イギリスには行かない”という考えを持たないでほしいと思います。もし訪れた際には、イギリスで楽しい思い出が作れることを願っています!

 

 

Image Credit:Prosperity of countries according to the Legatum Prosperity Index (2017) by JackintheBox [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], from Wikimedia Commons

Europe IAT_v2.png by Figshare

Discrimination In The EU In 2015 survey result maps by reddit user u/bezzleford

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