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なぜ日本はイギリスや英国と呼ぶのか?

イギリスと英国どちらがよく使われているのでしょうか?

(2017年12月)

日本だけが「イギリス」という呼び方をしますが、時々「英国」と言うこともあります。では、「イギリス」と「英国」という言葉の由来は?実際にどちらの方がよく使われる呼び方で、それぞれの名前には意味があるのでしょうか?今日はこの名称について見ていきましょう。

原点

江戸時代ではイギリスのことを「エゲレス」と発音し、明治・大正期には漢字で「英吉利」(当て字)と書かれるようになり、その後「英国」と名付けられました。

まずはこの由来の背景について知っておきましょう。

歴史

イギリス人が日本に初めて来たのは1600年のことです。彼の名は”William Adams“と言い、日本語の名前では‟三浦按針”と名付けられました(イングランド人)。初めて日本に来たヨーロッパ人はポルトガル人であり、彼らはウィリアム・アダムスが日本に来る約60年程前に初めて来日しました。

この時点で‟UK”はまだ存在しておらず、国としては成り立っていませんでした。イングランドとウェールズのみが統一されており、ほとんどの人がイングランドとウェールズのことを‟England”と呼んでいました。この「England」は国を意味し、「English」はイングランドの言語(英語)または国籍(イングランド人)のことを意味します。

1600年以前にポルトガル人が日本人にイングランドのことを伝えたのか、ウィリアム・アダムスの到着後にポルトガル人が日本人に伝えたのかは知られていません。いずれにしても、ポルトガルとイングランドが戦争中であったため、ポルトガル人がイングランドは敵であることを日本に知らせたかったのではないかと言われています。

「イギリス」という言葉は、ポルトガル語が語源となっています。ポルトガル語の”Inglês“(イングレス)は”English”の意味があり、これが”エゲレス”という発音になりました。また、ポルトガル語で「England」は「Inglaterra(イングラテラ)」と言います。

また、ウィリアム・アダムスが徳川家康と他の日本人に、自身の国を英語で「England」と呼ぶことを話したという説もあります。日本に来て数年後に妻に宛てた手紙によると、アダムスは1600年に何度も徳川家康と会っていることが分かっています。2人の最初の会話の中で、家康はアダムスにどこの国から来たのかを尋ねました。アダムスは「England」と答えましたが、ポルトガル語と日本語を話す通訳者だったため、この時アダムスは英語で「England」と伝えたかもしれませんが、通訳者はポルトガル語で「Ingles、Inglaterra、エゲレス」のどれかを使って通訳した可能性もあります。

ウィリアム・アダムスが徳川家康と初めて出会った時

そして江戸時代になると「English」のことをオランダ語では「Engels(エンゲルス)」と言うことから、オランダ語にも「エゲレス」の由来があると言われています。1600年にウィリアム・アダムスはオランダ船で来日し、他の乗組員もオランダ人でしたが、アダムスは英語の「England/English」またはポルトガル語の「Inglaterra/Ingles」という言葉を使っていたのです。

時間の経過と共に発音は「エゲレス」から「イギリス」に変わり、これが起こったのは江戸時代末期と言われています。それは1854年頃から再びイギリス人が来日するようになったことが関係しています。日本人にはイギリス人の発音が「England(イングランド)」と聞こえ、その後「エゲレス」から「イギリス」に変わっていったのではないかと言う人もいます。

幕末時代になると、イギリスは「英吉利」という漢字を使うようになり、この漢字は中国語が語源となっています。中国語では、英語の「English」やポルトガル語の「Ingles」の発音に近い「インチーリー」と発音されます。イングランド人よりも遥か前にポルトガル人が中国に来ていたため、この言葉はポルトガル語の影響を受けている可能性が非常に高いのです。

漢字の「英国」とは?

最も可能性の高い理由として「英」は「英吉利」から取り、「国」と組み合わせて「英国」という短縮した言葉が作られました。「英」は「英語」という言葉にも引用されていますが、興味深いことに中国語でも「英国」と言います。また韓国で昔、漢字が使われていた頃には「英國」という言葉も存在していました。

そして1707年には、イングランドとスコットランドが合併して「UK」という国ができます。この「UK」という名前を知っていたにもかかわらず、日本では‟イギリス”と‟英国”という呼び方で呼んでいました。

イギリス vs 英国

個人的に、最近の日本人がどちらの呼び方をしているのか気になっていたので以前、Twitterでアンケートをしました。

“イギリス” or “英国”どちらを使いますか?

83% イギリス
17% 英国

話す時には「イギリス」と呼び、書く時には「英国」と使う人もいるようです。

日本人にとってイギリスのイメージとは?

現代の日本語ではUKの各国は全てカタカナ表記ができます(イングランド、ウェールズなど)。

しかし、日本語の‟イギリス”や‟英国”という呼び方の定義は少し複雑です。

イギリス衛星写真

イギリスはイングランドとウェールズのこと?またはスコットランドも含む?(GB) それともイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド(UK)全てのことを言うのか?

もう一度、私はTwitterでアンケートをすると次のような結果が出ました。

‟イギリス”と聞く時、どのイメージが一番に思い浮かびますか?

21% イギリスと言えばイングランド
60% イギリスと言えばUK(ユナイテッド・キングダム)
19% イギリスと言えばGB(グレート・ブリテン島)

日本人のほとんどが、‟イギリス”という言葉は‟UK”に結び付くと感じているようです。

イギリス人と話す際にはどの呼び方をした方がいい?

正直に言うと、日本語を学んでいるイギリス人のほとんどがUKを日本語で‟イギリス”と呼んでます。なので、‟イギリス”という呼び方で特に問題はありません。しかし、スコットランド人には‟スコットランド”と言った方がいいかもしれません。これは英語で言う場合にも、多くのスコットランド人が”British”ではなく”Scottish” と呼ばれることを好むからです。